【扇子とは?】意味・選び方・所作とNGマナーを初心者向けに解説

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茶道における扇子とは?涼をとるためだけじゃないその役割

「茶道で扇子を使うって聞いたけど、まさかパタパタあおぐわけじゃないよね…?」

茶道に興味を持ち始めたあなたが、そう考えるのも無理はありません。夏の暑い日に涼をとるための道具、それが一般的な扇子のイメージでしょう。

しかし、茶道で使う扇子は、そのイメージとは少し、いや、かなり違います。

実は、茶道における扇子は涼をとるためではなく、もっと奥深く重要な役割を担っているのです。

一言でいえば、コミュニケーションツールであり、敬意を表すための必須アイテム

この記事では、そんな不思議で魅力的な「茶道に使う扇子」について、その意味から選び方、正しいマナーまで、初心者の方にも分かりやすく、徹底解説します。

これを読めば、あなたも扇子片手に茶室の門を叩きたくなること間違いなし!

扇子が持つ「結界」としての意味

茶道で扇子を使う最も重要な意味、それは「結界」です。

「けっかい…? なんだかRPGみたいでかっこいい!」と思ったあなた、あながち間違いではありません。

   結界とは、もともと仏教で使われる言葉で、神聖な領域と俗なる領域を分ける境界線のこと。

茶道では、この扇子を自分の前に置くことで、「ここから先はあなたの領域です。私は一歩下がり、敬意を払っていますよ」という意思表示になるのです。

つまり、亭主(お茶を点てる人)と客との間に目に見えない一線を引くことで、へりくだり、相手への尊敬の念を示すわけです。

日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

茶室という特別な空間で、お互いを尊重し合うための、なんとも奥ゆかしいコミュニケーションツール、それが茶道扇子の正体です。

挨拶や拝見に必須の道具

この「結界」としての役割は、茶道の様々な場面で登場します。

どんな時に使う?
  • 挨拶の時:亭主や他の客と挨拶を交わす際、膝の前に扇子を置きます。これにより、相手への敬意を形として示すことができます。
  • 道具を拝見する時:床の間の掛け軸やお花、お茶碗などの道具を拝見する際も同様に、膝の前に扇子を置きます。大切な道具を前にして一線を引くことで、「素晴らしいお道具を見せていただき、ありがとうございます」という感謝と敬意が込められています。

このように、扇子は言葉以上に多くのことを語る、茶道における「第二の口」とも言える存在なのです。

武士の刀の名残?扇子の歴史

扇子の歴史は古く、平安時代にまで遡ります。

当初は涼をとるためだけでなく、和歌を書いて贈ったり、花を載せて意中の人に送ったりと、風流なコミュニケーションツールとして使われていました。

日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

まるで、現代のSNSのような役割を果たしていたのかもしれませんね。

そして武士の時代になると、扇子はさらに重要な意味を持つようになります。

武士にとって、扇子は「刀」の代わりとも言える大切なものとされました。

茶室に刀を持ち込むことは許されなかったため、その代わりに扇子を腰に差すことで、武士としての身分や誇りを示したと言われています。

茶道で扇子を腰の左側に差すのは、その名残なのです。

つまり、茶道で扇子を持つことは、相手に敵意がないことを示しつつも、自身の背筋をスッと伸ばすような、そんな心持ちの表れでもあります。

【初心者必見】茶道用扇子の選び方

さあ、茶道扇子の奥深い世界に触れたところで、いよいよ「マイ扇子」選びです。

日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

しかし、いざお店に行くと、大きさや柄が様々で「どれを選べばいいの!?」と迷ってしまうと思います。ご安心ください。

ここでは、初心者でも迷わない、茶道用扇子の選び方を徹底解説します。

流派による違い:表千家と裏千家

茶道には様々な流派があり、代表的なものに表千家(おもてせんけ)裏千家(うらせんけ)があります。

そして、この流派によって使う扇子のサイズが異なるのです。これは重要なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。

流派男性用のサイズ女性用のサイズ特徴
裏千家6寸(約18cm)5寸(約15cm)女性用が小ぶりなのが特徴です。
表千家6.5寸(約19.7cm)6.5寸(約19.7cm)男女で同じサイズを使用します。

自分がどの流派でお稽古を始めるかによって、選ぶ扇子が変わってきます。

まずは先生に確認するのが一番確実です。

まだ決まっていない場合は、体験先の流派に合わせるか、お店の人に相談してみましょう。

男女によるサイズの違い

上記の表でもわかる通り、特に裏千家では男女で扇子のサイズが明確に異なります。

「手が大きい女性はどうすれば…?」なんて心配はご無用。

これはあくまで伝統的な区別であり、大切なのは作法と心です。

とはいえ、せっかくなら自分に合ったサイズの扇子を持つと、所作もより美しく見えるものです。

購入時には「女性用」「男性用」の表記をしっかり確認しましょう。

素材と柄の選び方:白竹が無難?

扇子の骨の部分は、竹でできています。

表千家では色のついていない白竹、裏千家では黒塗りの骨が使われることもあるなど、ここにも流派による違いが見られます。

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そして、一番の悩みどころが「柄」ではないでしょうか。季節の花、可愛らしい動物、縁起の良い文様など、見ているだけで楽しくなるような柄がたくさんあります。

初心者におすすめなのは、白地や無地のシンプルな扇子です。

これなら、どんなお茶会にも安心して持っていくことができます。

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千利休の教えが書かれた「利休百首」の扇子も、学びが深まるので人気があります。

とはいえ、基本的には自分の好きな柄を選んで問題ありません

お稽古を続けるうちに、季節やお茶会のテーマに合わせて扇子を選ぶ楽しみも出てきます。

お気に入りの一本を見つけるのも、茶道の醍醐味の一つです。

どこで買う?値段の相場は?

茶道用の扇子は、以下のような場所で購入できます。

  • 茶道具専門店:品揃えが豊富で、専門のスタッフに相談しながら選べます。
  • 百貨店の呉服・和装小物売り場:質の良いものが揃っています。
  • オンラインショップ:楽天市場やAmazonなど、様々な種類の扇子を比較検討できます。

値段の相場は、1,500円から3,000円程度のものが一般的です。もちろん、高価なものもありますが、まずはお稽古用として手頃な価格のものから始めてみると良いと思います。

茶道扇子の正しい使い方とマナー

お気に入りの扇子を手に入れたら、次はいよいよ実践です。

ここでは、茶道扇子の基本的な使い方と、思わぬところで恥をかかないためのマナーをご紹介します。

日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

「知らなかった!」では済まされない(かもしれない)茶室での振る舞いを、こっそり予習しておきましょう。

基本の持ち方と置き方

まず、扇子の持ち方です。

ギュッと握りしめるのはNG。

親指と人差し指で要(かなめ)のあたりを軽く挟み、他の指はそっと添えるように持ちます。模様がある方を自分に向けて持つのが基本です。

そして置き方。挨拶や拝見の際には、自分の膝の前に、畳の縁と平行になるように置きます。この時、扇子の要が右側にくるように置くのが一般的です。この扇子が「結界」の役割を果たします。

挨拶の作法:敬意を表す

茶道における扇子のハイライトとも言えるのが、挨拶の場面です。

敬意を示す2ステップ
  • 亭主や他の客に挨拶をする際、まず膝の前に扇子を置きます。
  • そして、その扇子を結界として、両手をついて丁寧にお辞儀をします。

この一連の動作には、「あなたを敬っています」というメッセージが凝縮されています。

扇子があるだけで、ただのお辞儀が、ぐっと改まった美しい作法になるのです。

使わない時のしまい方:帯に差す

お茶室に入って席に着くまでの間や、お手洗いなどで席を立つ際など、扇子を使わない時はどうするのでしょうか。

正解は、着物の帯の左側に差します

これは、かつて武士が刀を差していた名残と言われています。

洋服の場合は、帛紗ばさみ(数寄屋袋)と呼ばれる、茶道の小物をまとめて入れておくバッグにしまいます。

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間違ってもポケットに無造作に突っ込んだりしないように気をつけましょう。

これはNG!扇子であおいではいけない

そして、最も重要な注意点。それは、道用の扇子で、決してあおいではいけないということです。

たとえ真夏のお茶室で汗が噴き出してきても、顔が火照って真っ赤になっても、ぐっと我慢です。

茶道扇子はあくまで儀礼用の道具。

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これであおいでしまうのは、例えるなら、高級レストランでナイフとフォークをカチカチ鳴らして遊ぶようなもの。その場の空気を一瞬で凍りつかせる破壊力を持っています。覚えておきましょう。

もっと知りたい!茶道扇子Q&A

ここまでで、あなたも立派な「扇子マスター(見習い)」です。

しかし、まだまだ疑問は尽きないはず。ここでは、よくある質問にお答えします。

Q. 子供用の扇子はある?

A. はい、あります。

お子様が茶道を習う場合、大人用の扇子では大きすぎて扱いにくいことがあります。

そのため、子供向けの少し短いサイズの扇子が用意されています。

お菓子や動物など、子供が喜ぶ可愛らしい柄のものも多く、お稽古のモチベーションアップにも繋がるかもしれません。

Q. 扇子のお手入れ方法は?

A. 基本的には乾いた布で優しく拭くだけで十分です。

扇子は紙と竹でできているため、水分や湿気は苦手です。

濡れた手で触ったり、雨の日に濡らしてしまったりしないように注意しましょう。

保管する際は、扇子袋に入れたり、桐箱に入れたりすると、型崩れや日焼けを防ぐことができます。

Q. 扇子以外の必需品は?

A. 茶道を始めるにあたり、扇子の他にもいくつか揃えておきたい道具があります。

一般的に「三つ道具」や「数寄屋袋セット」として販売されていることが多いです。

  • 帛紗(ふくさ): 茶器などを清めるための絹の布。
  • 懐紙(かいし): お菓子をいただく際のお皿代わりや、口元を拭うのに使う和紙。
  • 菓子切り(黒文字): お菓子をいただくための楊枝。
  • 帛紗ばさみ(数寄屋袋): これらの小物をまとめて入れておくバッグ。

これらは茶道を始める際の基本セットとなります。

AFTERWORDS

お気に入りの一本で、茶の湯の世界へ

涼をとるための道具から、敬意を表すためのコミュニケーションツールへ。

茶道における扇子は、小さな体にたくさんの意味と歴史を詰め込んだ、なんとも奥深い存在です。

流派によるサイズの違いや、挨拶の作法など、覚えることは少し多いかもしれません。

しかし、その一つ一つに、相手を思いやる日本の美しい心が込められています。

まずは難しく考えずに、お気に入りの一本を見つけることから始めてみませんか?

可愛らしい柄、粋なデザイン、背筋が伸びるような古典的な柄…。

その扇子が、あなたを素晴らしい茶の湯の世界へと誘う、最高のパートナーになってくれるはずです。

さあ、扇子を片手に、新しい世界の扉を開きましょう!

その他、茶の道具についての記事はこちら

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