【帛紗(ふくさ)とは?】茶道での役割・選び方・帛紗さばき入門

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茶道の世界へようこそ!

お茶会と聞くと、「なんだか作法が多そうで難しそう…」と感じる方も多いかもしれません。

しかし、その一つ一つの所作や道具には、おもてなしの心と日本の美意識がギュッと詰まっています。

今回は、茶道に欠かせないカラフルな布、「帛紗(ふくさ)」について、その役割から選び方、さらにはクスッと笑える豆知識まで、徹底解説します!

この記事を読めば、あなたも帛紗マスター(の卵)になれること間違いなしです。

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目次

帛紗(ふくさ)とは?茶道における役割と基本を解説

茶道のお点前(てまえ)をテレビや動画で見たとき、亭主(お茶を点てる人)が懐からスッと取り出し、腰につけている方形の布に気づいたことはありませんか?

それが「帛紗」です。

一見するとただの布切れに見えるかもしれませんが、実は茶道において非常に重要な役割を担う、まさに相棒のような存在なのです。

帛紗が持つ2つの大切な役割

帛紗の役割は、大きく分けて2つあります。まるでヒーローの表と裏の顔のように、どちらも欠かせない大切な役目です。

帛紗の役割
  • 道具を清める「浄化」の役割
  • 道具を扱う際の「保護」と「敬意」の役割

道具を清める「浄化」の役割

    茶道では、棗(なつめ:抹茶を入れる容器)や茶杓(ちゃしゃく:抹茶をすくうさじ)といった大切な茶道具を、お客様の前で帛紗を使って拭き清めます。 

これは単に物理的な汚れを取るだけでなく、「お道具を清め、お客様に気持ちよくお茶を飲んでいただく」という精神的な意味合いが強いのです。

心を込めて道具を清める所作は、おもてなしの心の現れそのものと言えるでしょう。

道具を扱う際の「保護」と「敬意」の役割

    熱い釜の蓋を開け閉めする際に、まるで鍋つかみのように使ったり、高価な茶碗や道具を拝見する際に下に敷いたりもします。 

これは、大切な道具を傷つけないように保護すると同時に、道具に対する敬意を示すための作法です。

うっかり熱い蓋で「アチチ!」とならないための、実用的な知恵でもあります。

「帛紗」と「袱紗」の違いとは?

「ふくさ」には「帛紗」と「袱紗」という2つの漢字があり、読み方が同じなので混同されがちです。 

しかし、この2つは全くの別物!例えるなら、同じ「はし」でも「箸」と「橋」くらい違います。

2つの「ふくさ」の違い
  • 帛紗(ふくさ): 主に茶道で使われる、道具を清めたり扱ったりするための方形の布です。 素材は絹が基本で、流派や性別によって色が異なります。
  • 袱紗(ふくさ)冠婚葬祭でご祝儀や不祝儀袋を包むために使われる布です。 貴重品を汚さずに運ぶための礼装具であり、こちらも色や包み方にマナーがあります。

茶道で使うのは「帛(きぬ)」という字が入った帛紗、と覚えておけば間違いありません。

間違えてご祝儀袋を包む袱紗を持ってお稽古に行くと、先生に「今日は何かお祝い?」と笑顔でツッコまれてしまうかもしれませんね。

【初心者必見】帛紗の選び方|素材・色・厚みのポイント

いざ帛紗を手に入れようと思っても、素材や色、厚みなど種類が豊富で「どれを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。

ご安心ください!ここでは初心者が知っておくべき帛紗選びの3つのポイントを解説します。

3つの帛紗選びポイント
  • 素材は「正絹(しょうけん)」が基本
  • 性別と流派で決まる色選び
  • 厚み(匁・もんめ)で変わる扱いやすさと価格

①素材は「正絹(しょうけん)」が基本

帛紗の素材は、基本的に正絹(しょうけん)、つまり本物の絹100%のものが使われます。 

正絹はしなやかで滑りが良く、手になじみやすいのが特徴です。 美しい光沢があり、後述する「帛紗さばき」という所作をより優雅に見せてくれます。

お稽古用として、人絹(じんけん)と呼ばれる化学繊維でできた安価な帛紗もあります。化繊のものは洗濯しやすいというメリットもありますが、正絹に比べると滑りやすく、扱いにくいと感じることも。

日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

 茶道の上達を目指すなら、少し奮発してでも正絹の帛紗を選ぶのがおすすめです。最初の相棒選びは、とても大切なのです。

②性別と流派で決まる色選び

帛紗の色は、性別や所属する流派によって使う色が決められているのが一般的です。

 まるで制服のように、流派ごとのアイデンティティを示す役割も担っています。

流派性別主な色
裏千家(うらせんけ)女性
男性
表千家(おもてせんけ)女性
男性
武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)女性
男性

※出典: 各種茶道関連サイトの情報を基に作成

このように、男性はどの流派でも紫色が基本ですが、女性は裏千家が「赤」、表千家と武者小路千家は「朱」と微妙に異なります。 

お稽古を始める際は、必ず先生に確認してから購入するようにしましょう。

 違う色の帛紗を持っていくと、まるで違う学校の制服で登校してしまったような、ちょっぴり恥ずかしい思いをするかもしれません。

③厚み(匁・もんめ)で変わる扱いやすさと価格

帛紗には厚みの違いがあり、その単位として「匁(もんめ)」が使われます。

1匁は約3.75gで、五円玉1枚とほぼ同じ重さです。

この匁の数字が大きくなるほど生地が厚く、重くなり、価格も高くなる傾向にあります。

自分に合った厚みの目安
  • 初心者向け(6匁~8匁): 薄手でさばきやすく、扱いやすいのが特徴です。 まずは7匁や8匁あたりから始めてみるのが良いでしょう。
  • 中級~上級者向け(9匁以上): 厚みがあり、ふっくらとしていて見た目にも高級感があります。 しかし、その分扱いにくくなるため、ある程度お稽古に慣れてから挑戦するのがおすすめです。
日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

自分の手の大きさや力の入れ具合によっても扱いやすさは変わるので、一概には言えませんが、初心者のうちは背伸びせず、扱いやすい厚みのものを選ぶのが上達への近道です。

茶道での帛紗の基本的な使い方

帛紗はただ持っているだけではありません。

茶席での美しい立ち居振る舞いを演出するための、重要なパートナーです。

ここでは、基本的な使い方である「懐中と腰へのつけ方」そして「帛紗さばき」をご紹介します。

懐中と腰へのつけ方

お茶室に入る際、帛紗はきれいにたたんで懐(ふところ)、つまり着物の胸元に入れておきます。

これを「懐中(かいちゅう)する」と言います。

そして、お点前を始める前に懐から取り出し、腰につけます。

懐中(かいちゅう)する際のたたみ方

帛紗を懐中する際は、きれいに八つ折りにします。

流派によって細かい作法は異なりますが、シワにならないように丁寧にたたむことが大切です。

腰につける際のたたみ方

亭主のしるしとして、帛紗を腰につけます。 

懐中した帛紗を右手で取り出し、左手に乗せてから、決められた手順で三角形に広げ、二つに折って帯に挟みます。

 この一連の動作も、お客様に見られていることを意識し、流れるように美しく行うのがポイントです。つける位置は、だいたい帯締めに重なるあたりです。

基本の所作「帛紗さばき(草のさばき)」

帛紗さばき」とは、腰につけた帛紗をとり、道具を清めるためにたたみ直す一連の所作のことです。

 茶道の基本中の基本であり、お稽古で何度も練習する重要な動きです。

裏千家では「草(そう)のさばき」と呼ばれるさばき方が基本となります。 

腰から帛紗を取り、両手を使ってリズミカルに、かつ無駄のない動きでたたみ直していきます。 

この所作の美しさが、お点前の見どころの一つとも言われています。 最初はぎこちなくても、練習を重ねるうちに、きっと流れるような美しい帛紗さばきが身につくはずです。

帛紗の種類|点前用だけじゃない様々な帛紗

これまで解説してきた無地の帛紗は「使い帛紗(つかいぶくさ)」と呼ばれ、お点前で最もよく使われるものです。 

しかし、茶道の世界には他にも様々な種類の帛紗が存在します。

出帛紗(だしふくさ)・古帛紗(こぶくさ)

お濃茶をいただく際や、格の高いお道具を拝見する時などに使われるのが「出帛紗」や「古帛紗」です。 

これらは使い帛紗とは異なり、名物裂(めいぶつぎれ)と呼ばれる美しい文様の織物などで作られています。

出帛紗(だしふくさ)・古帛紗(こぶくさ)の特徴
  • 出帛紗(だしふくさ): 主に表千家などで使われ、大きさは使い帛紗とほぼ同じです。 濃茶を出す際に茶碗に添えて出されます。
  • 古帛紗(こぶくさ): 主に裏千家で使われ、使い帛紗の約4分の1ほどの大きさの小さな帛紗です。 お茶を運ぶ際に茶碗の下に敷いたり、道具を拝見する際に使ったりします。

これらの帛紗は、お茶席の趣向や季節に合わせて亭主が選び、おもてなしの心を表現するアイテムでもあります。

柄の種類と格

出帛紗や古帛紗には、龍や鳳凰、宝尽くしといった吉祥文様や、有栖川(ありすがわ)文様、花兎(はなうさぎ)文様など、様々な種類の柄があります。

これらの柄にはそれぞれ由来や意味があり、茶席の格や趣向に応じて使い分けられます。

柄の入った帛紗を選ぶのも、茶道の楽しみの一つと言えるでしょう。

大切な帛紗のお手入れと保管方法

愛用の帛紗は、できるだけ長く、きれいな状態で使いたいもの。

しかし、お手入れ方法を間違えると、かえって生地を傷めてしまうことも。ここでは、デリケートな帛紗の正しいお手入れと保管のコツをご紹介します。

基本的に洗濯はNG

正絹の帛紗は、水で洗うと縮んだり、風合いが損なわれたりするため、基本的に洗濯はしないのが原則です。

 お稽古で抹茶がついてしまった場合は、乾いた状態で帛紗同士をこすり合わせるか、柔らかいブラシで優しく払って落としましょう。

どうしても汚れが気になる場合は、専門家によっては中性洗剤で優しく手洗いする方法も紹介されていますが、自己責任で行う必要があります。

 ゴシゴシこするのは厳禁です。

シワを防ぐ保管のコツ

帛紗のもう一つの敵は「シワ」です。 

お稽古が終わったら、必ずきれいにたたみ直し、懐紙入れや数寄屋袋(すきやぶくろ)にしまいます。

変な折りジワがついてしまった場合は、アイロンのスチームを少し離して当てるのがおすすめです。 

この時、アイロンを直接強く押し当てると、絹のふっくらとした風合いが潰れてしまうので注意が必要です。

帛紗に関するQ&A

最後に、帛紗に関するよくある質問にお答えします。

どこで買える?値段の相場は?

帛紗は、茶道具専門店や、百貨店の呉服・茶道具売り場などで購入できます。

 また、最近ではオンラインショップでも多くの種類が販売されています。

値段は素材や厚み(匁)、ブランドによって大きく異なります。

  • 化繊(人絹): 1,000円~2,000円程度
  • 正絹(お稽古用): 3,000円~7,000円程度
  • 正絹(高級品・作家物): 10,000円以上

国内唯一の帛紗専門店である「北村徳斎(きたむらとくさい)」や、千家十職(せんけじっしょく)の一つである袋師「土田友湖(つちだゆうこ)」の帛紗は、最高級品として知られています。

買い替えのタイミングは?

帛紗に明確な寿命はありませんが、以下のような状態になったら買い替えを検討すると良いでしょう。

  • 汚れが落ちなくなった
  • 生地が擦り切れてきた
  • 風合いが損なわれ、ごわごわしてきた

お稽古を熱心に続けた証として汚れや傷がつくのは当然のことですが、お客様をおもてなしする茶会の席などでは、新しいきれいな帛紗を用意するのがマナーです。

 汚れたお稽古用の帛紗と、晴れの舞台用のきれいな帛紗を使い分けるのも良い方法です。

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茶道における小さな名脇役、「帛紗」。

ただの布に見えて、その実、亭主の心を映し、おもてなしの精神を体現する、奥深い道具であることがお分かりいただけたでしょうか。

素材や色、厚みを選び、正しい作法で扱うことで、お点前はより一層美しく、心豊かなものになります。

この記事をきっかけに、帛紗、そして茶道の世界に少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。

さあ、あなたも自分だけの一枚を見つけて、茶の湯の世界への第一歩を踏み出してみませんか?そこには、きっと新しい発見と感動が待っていますよ。

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