【川辺茶(かわなべちゃ):鹿児島の名産・味わい・いかした飲み方】

川辺茶記事のアイキャッチ画像

お茶好きの皆さん、こんにちは!「知覧茶」の名前はよく聞くけれど、「川辺茶(かわなべちゃ)」ってご存知ですか?

実はこの川辺茶、知覧茶のルーツの一つであり、知る人ぞ知る極上のお茶なんです。

今回は、ブランド統合の影に隠れがちな、しかし確かな個性と歴史を持つ「川辺茶」の奥深すぎる世界へ、ユーモアたっぷりめにご案内します!

目次

川辺茶(かわなべちゃ)について

まずは「川辺茶って、どこのどなた?」という基本情報から。このお茶のプロフィールを知れば、次の一杯がもっと愛おしくなること間違いなしです!

川辺茶の産地は鹿児島県南九州市川辺町

川辺茶の故郷は、太陽の恵みあふれる鹿児島県、その名も南九州市川辺町です。

2007年に知覧町、頴娃(えい)町と合併して南九州市となるまでは、「川辺茶」という独立したブランドとして、多くのファンに愛されていました。

現在は「知覧茶」という大きなブランドに統合されていますが、その魂は今もこの川辺の地に息づいています。

清らかな水と豊かな自然が育むお茶

川辺町のポテンシャルを語る上で欠かせないのが、その「水」の実力。

なんと、町に流れる万之瀬川水系の伏流水は、環境省お墨付きの「日本名水百選」に選ばれるほどのクオリティなのです。

蛇口をひねれば名水が出てくるなんて、もはや町全体がパワースポット。

さらに、桜島の火山灰が作った水はけの良い土壌と、盆地特有の激しい寒暖差という、お茶にとっては最高の環境が揃っています。

この豊かな自然の恵みを一身に受け、川辺茶はすくすくと、そして美味しく育つのです。

川辺茶の歴史は江戸時代から

川辺茶の歴史は、なんと江戸時代初期まで遡ります。

最初は農家が自分たちで楽しむために作られていたお茶でしたが、そのクオリティの高さがやがて噂を呼び、歴史の表舞台へと登場します。

江戸幕府の御用達だった輝かしい歴史

驚くことなかれ、川辺にあった宝福寺で作られたお茶は、そのあまりの美味しさに幕府の目に留まり、将軍様へ献上される「御用達」の品にまでなりました。

まさに、将軍様も唸らせた、由緒正しきエリート茶だったのです。

機械化をいち早く取り入れた先進性

伝統を守りつつも、新しいもの好きだったのが川辺のすごいところ!

1896年(明治29年)には、鹿児島県で初めて製茶機械の「粗揉機(そじゅうき)」を導入しました。

これは、茶葉を揉みながら加熱乾燥させるハイテクマシン。

この先進的な取り組みにより、品質の安定と大量生産が可能になり、川辺茶の名をさらに広めることになったのです。

川辺茶の魅力とは?その特徴に迫る

歴史と風土に磨かれた川辺茶。その魅力は一体どこにあるのでしょうか?思わず「おかわり!」と言ってしまう、その美味しさの秘密を解き明かします。

深蒸し製法による濃い緑色とまろやかな甘み

川辺茶(現在の知覧茶)の多くは、「深蒸し」という製法で作られています。

これは、通常の煎茶よりも2倍ほど長い時間をかけて茶葉を蒸す、いわば「お茶のサウナ」のような製法です。

製法蒸し時間(目安)特徴
普通蒸し30秒〜40秒香り高く、爽やかな渋みが楽しめる
深蒸し60秒〜120秒濃厚な緑色で、渋みが少なく甘みとコクが強い

じっくり蒸すことで茶葉の細胞が壊れ、お茶の成分が抽出しやすくなります。

その結果、エメラルドのような濃い緑色と、角の取れたまろやかな甘み、そして深いコクが生まれるのです。

渋いお茶が苦手な方にもぜひ試してほしい味わいです。

昼夜の寒暖差が生み出す豊かな香りと旨味

川辺町のような盆地は、昼と夜の温度差が激しいのが特徴。

この「お茶のスパルタ教育」とも言える環境が、極上のお茶を育てます。

美味しさの秘密
  • 昼間: 太陽の光を浴びて、光合成で栄養(カテキンなど)をたっぷり生成。
  • 夜間: 気温がぐっと下がり、昼間に作った栄養を消費せず、旨味成分(テアニン)として茶葉にぎゅっと蓄える。

さらに、朝霧が天然の日傘となって茶葉を強い日差しから守り、旨味を増幅させます。

この自然の絶妙な連携プレーが、川辺茶ならではの豊かな香りと深い旨味の源です。

豊富な品種が織りなす多彩な味わい

南九州市では、個性豊かなお茶の品種が栽培されています。まるでアイドルグループのように、それぞれに違った魅力があるのです。

品種ごとの特徴
  • やぶきた: 日本茶のセンター。爽やかな香りとバランスの取れた味わい。
  • さえみどり: 鮮やかな緑が美しい優等生。上品な甘みと旨味が特徴。
  • ゆたかみどり: コクと甘みのパワフル系。鹿児島を代表する人気品種。
日本茶アドバイザーパトラッシュ♂

これらの品種をブレンドすることで、生産者は無限の味わいを生み出しています。まさに、お茶のオーケストラです。

川辺茶と知覧茶の関係性

「川辺茶の話なのに、なぜ知覧茶がチラチラ出てくるの?」その疑問、お答えします!ここを理解すれば、あなたもお茶通の仲間入りです。

2017年に「知覧茶」ブランドへ統一

2007年に川辺町、知覧町、頴娃町が合併して南九州市が誕生。

その後、市町村単位で日本一の生産量を誇るお茶のブランド力を世界に轟かせるため、2017年4月に旧3町のブランド「川辺茶」「頴娃茶」「知覧茶」を、全国的な知名度を持つ「知覧茶」に一本化しました。

なぜ統一されたのか?その背景

目的はズバリ、「チーム南九州」として世界と戦うため。

バラバラのブランド名ではパワーが分散してしまいます。

知覧茶」という強力なブランド名のもとに結束し、「日本一のお茶どころ」としての地位を不動のものにするための戦略だったのです。

今でも「川辺産」として区別される理由と楽しみ方

ブランド名は一つになっても、育った土地の個性は消えません。

お茶好きや生産者の間では、今でも「この知覧茶は、川辺産だから甘みが強いね」といった会話が交わされます。

【通な楽しみ方:産地当てゲーム】

商品を購入する際は、パッケージ裏面の「製造者」や「所在地」をチェック!「鹿児島県南九州市川辺町」と書かれていれば、それが川辺茶のDNAを色濃く受け継ぐお茶です。

旧頴娃町産、旧知覧町産と飲み比べて、あなただけの推し産地を見つけるのも一興ですよ。

頴娃茶について知りたい方はこちらの記事もどうぞ

川辺茶の美味しい淹れ方

せっかくの極上茶葉、ポテンシャルを120%引き出す淹れ方を知らないともったいない!この4つの掟を守れば、誰でもお茶の達人になれます。

STEP
旨味を最大限に引き出すお湯の温度は70〜80℃

熱湯は禁物!:沸騰したてのお湯(約100℃)はNG。一度湯冷ましや湯呑みに移して、70〜80℃まで冷ましましょう。この温度が、渋みを抑えて甘みと旨味成分を優しく引き出すゴールデンゾーンです。

STEP
茶葉の量は1人あたりティースプーン1杯が目安

茶葉はケチるべからず!:1人あたりティースプーンに山盛り1杯(約3g)が基本。美味しいお茶は、気前の良さから生まれます。

STEP
じっくり1分待つのが美味しさの秘訣

急がば回れ!:お湯を注いだら、急須を揺らさず静かに1分間待ちましょう。この「沈黙の1分」が、茶葉をじっくり開かせ、旨味を最大限に溶け出させるための大切な儀式です。

STEP
最後の一滴まで注ぎ切る「ゴールデンドロップ」

最後の一滴に魂を込めよ!:複数の湯呑みに注ぐ際は、少しずつ均等に注ぎ分ける「廻し注ぎ」で。そして何より、急須に残った最後の一滴まで絞り切ってください。この「ゴールデンドロップ」にこそ、お茶の旨味が凝縮されているのです!

STEP
おいしく飲む!

自分が吟味して購入したお茶を飲むもよし、だれかの為に淹れてあげると何となくより美味しく感じますよ。

川辺茶の楽しみ方と購入方法

さあ、もう川辺茶が飲みたくてたまらないはず!この美味しいお茶と出会うための方法をご紹介します。

川辺茶(知覧茶)が購入できる場所

現地の販売店・直売所を訪ねる

最高の体験は、やはり産地・南九州市を訪れること。

現地の直売所では、生産者の熱い想いを聞きながら、新鮮な茶葉を選べます。

川辺町には今も多くのお茶屋さんが元気に営業しています。

旅の思い出と共に、格別の一杯を見つけてみてはいかがでしょうか。

もちろん、多くのお店がオンラインショップも運営しているので、全国どこからでもお取り寄せ可能です。

AFTERWORD

歴史と風土が育んだ川辺茶を味わおう

江戸時代の将軍様を唸らせ、明治時代にはいち早く機械化を取り入れた先進性を持ち、そして名水と豊かな大地に育まれた川辺茶。その名は「知覧茶」という大きなブランドに統合されましたが、確かな品質と物語は、今も一杯のお茶の中に生き続けています。

この記事を読んで川辺茶の魅力に気づいてしまったあなたは、もう立派なお茶マニアの一員です。

ぜひ、ラベルの裏を確かめながら「川辺産」の知覧茶を探し、そのまろやかな甘みと深いコクをじっくりと堪能してみてください。きっと、あなたの日常に、極上の癒やしと小さな発見をもたらしてくれるはずです。

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