お茶好きの皆さん、こんにちは!数ある日本茶の中でも「頴娃茶(えいちゃ)」という名前にピンと来たなら、あなたはお茶のエキスパートかもしれません。
今回は、その名を知る人ぞ知る、しかし一度飲めば誰もが虜になる銘茶「頴娃茶」の奥深い魅力に、ユーモアを交えながら迫ります。
この記事を読み終える頃には、きっとあなたも「頴娃茶、飲んでみたい!」と叫んでいるはず。さあ、魅惑の緑茶の世界へようこそ!
頴娃茶の基本|日本一の茶産地・南九州市から
まずは「頴娃茶って、そもそも何?」という基本の「き」から。このお茶が育つ素晴らしい環境についてご紹介します。
日本最南端の銘茶産地、鹿児島県南九州市頴娃町
頴娃茶のふるさとは、鹿児島県薩摩半島の南端に位置する南九州市頴娃町(えいちょう)。
実はこの南九州市、市町村別の荒茶生産量で堂々の日本一を誇る、まさに“お茶の聖地”なのです。
目の前に広がる雄大な茶畑と、薩摩富士とも称される開聞岳(かいもんだけ)が織りなす絶景は、美味しいお茶が育つ証。
この日本最南端の銘茶産地から、頴娃茶は生まれます。

温暖な気候と霧が育む「天然の玉露」
頴娃茶の美味しさの最大の秘密は、その恵まれた自然環境にあります。
南国ならではの温暖な気候に加え、山あいという地形が生み出す朝霧が、奇跡の味わいを育むのです。
この霧が、お茶の葉を強い日差しから守る「天然のカーテン」の役割を果たし、旨み成分であるアミノ酸(テアニン)をたっぷりと葉に蓄えさせます。
これは、高級茶の代名詞である玉露(ぎょくろ)が、わざわざ覆いをかけて日光を遮るのと同じ効果。

これってかなりスゴイことよ。
つまり、頴娃茶は自然の力だけで育った「天然の玉露」と呼ぶにふさわしい、贅沢なお茶なのです。
頴娃茶の歴史|始まりは江戸時代・天保7年
頴娃茶の歴史は古く、江戸時代の天保7年(1836年)まで遡ります。
地元の職人たちが宮崎から持ち帰った茶の種をまいたのが、その起源とされています。
昭和40年代から本格的に茶業が盛んになり、品質と生産量の両方で日本を代表するお茶の産地へと成長を遂げました。
毎年春には、茶業の発展に尽くした先人たちへの感謝と、その年の豊作を祈願する「新茶まつり」が開催され、その伝統は今も大切に受け継がれています。
なぜ美味しい?頴娃茶の3つの魅力
一度飲んだら忘れられないと評判の頴娃茶。その感動的な美味しさの秘密を、3つの魅力に絞って解き明かします。
- 濃厚なうま味とコク、爽やかな香り
頴娃茶の最大の魅力は、口に含んだ瞬間に広がる濃厚な旨みと深いコク。
まるでポタージュスープのような、とろりとした甘みが舌を包み込みます。
ただ甘いだけではありません。後味は驚くほどすっきりとしており、爽やかな若葉の香りが鼻を抜けていきます。
渋みが少なく、まろやかな味わいなので、普段あまり緑茶を飲まない方でも「これは美味しい!」と唸るはずです。 - 美しい緑色の水色(すいしょく)
急須から湯呑みに注がれた瞬間、思わず「おぉ…」と感嘆の声が漏れるほど美しいのが、頴娃茶の水色(すいしょく)です。
深く、鮮やかな緑色は、見るからに栄養が凝縮されている証拠。
この美しい緑は、茶葉が持つ豊かな葉緑素と、後述する「深蒸し製法」によって生まれる、美味しさのサインなのです。 - 深蒸し製法によるまろやかな味わい
頴娃茶の多くは、「深蒸し」という製法で作られています。
これは、茶葉を蒸す工程で、通常の煎茶の2〜3倍長い時間をかけてじっくりと熱を通す製法です。



この深蒸し製法こそが、頴娃茶特有のまろやかでコク深い味わいを決定づける重要な要素です。
頴娃茶をもっと深く知る
基本と魅力を押さえたところで、さらに一歩踏み込んだディープな頴娃茶の世界へご案内します。
代表的な品種「ゆたかみどり」「さえみどり」など
頴娃茶の味わいを支える、個性豊かな代表品種たちをご紹介します。
品種名 | 特徴 |
ゆたかみどり | 鹿児島を代表する早生品種。その名の通り、豊かな収穫量と力強い味わいが特徴。濃厚な旨みとコク、濃い緑の水色は、まさに「ザ・頴娃茶」とも言える存在です。 |
さえみどり | 冴えわたるような美しい緑色が魅力の品種。渋みが少なく、上品な甘みとクリアな香りで人気を集めています。贈答用としても喜ばれる高級品種です。 |
やぶきた | 日本茶の王道ともいえる品種。甘み、渋み、香りのバランスが絶妙で、誰にでも愛される安定した美味しさです。 |
おくみどり | 収穫時期が遅めの晩生品種。その名の通り、奥ゆかしく、すっきりとした優しい味わいが特徴。穏やかな香りでリラックスタイムにぴったりです。 |
これらの品種が単一で、あるいは絶妙にブレンドされることで、私たちが楽しむ奥深い頴娃茶の味わいが完成します。
「知覧茶」との関係は?ブランド統一の背景
お茶好きなら「知覧茶(ちらんちゃ)」というブランドを一度は耳にしたことがあるでしょう。
実は、現在の頴娃茶は「知覧茶」として販売されています。
2007年に旧頴娃町、旧知覧町、旧川辺町が合併して南九州市が誕生したことを受け、2017年4月、それぞれの地域ブランドを統合し、全国的な知名度を持つ「知覧茶」としてブランド力が強化されました。
- 現在、頴娃町で生産されたお茶も「知覧茶」として流通しています。
- パッケージの産地表示を見れば「鹿児島県南九州市頴娃町産」と確認できます。
- 長年のファンからは今でも「頴娃茶」として愛され、その個性と品質は変わりません。



ブランド名は変わっても、頴娃の地で育まれたお茶の魂は、今も力強く息づいています。
茶農家のこだわりと情熱
日本一の産地を支えるのは、間違いなく茶農家さんたちの熱い情熱と弛まぬ努力です。
頴娃の農家さんたちは、科学的な土壌診断に基づいた土づくりから、日々の天候に合わせたきめ細やかな栽培管理、そして最高の味を引き出す製茶技術の探求まで、一切の妥協を許しません。
地域全体で情報を共有し、一丸となって品質向上に取り組む姿は、まさにプロフェッショナル集団。
その情熱が、私たちの心を動かす感動の一杯を生み出しているのです。
家庭で楽しむ!頴娃茶の美味しい淹れ方
せっかくの頴娃茶ですから、最高の状態で味わいたいもの。プロが淹れたような一杯を、ご家庭で再現する簡単なコツを伝授します!
基本の淹れ方(急須)
まずは王道の淹れ方から。ポイントを押さえるだけで、味は劇的に変わります。
- 茶葉:ティースプーンに山盛り1杯(約5g)
- お湯:約120ml
- 急須、湯呑み
沸騰したお湯を一度、湯呑みに注ぎます。これで湯呑みが温まると同時に、お湯が適温(約70〜80℃)に下がります。
急須に茶葉を入れます。
湯呑みのお湯を急須にそっと注ぎ、蓋をして約1分間、静かに待ちます。この「待ち」が、旨みを引き出す大切な時間です。
複数の湯呑みに注ぐ場合は、少量ずつ交互に注ぎ分ける「廻し注ぎ」で濃さを均一にします。そして、旨みが凝縮された最後の一滴(ゴールデンドロップ)まで、しっかりと絞り切りましょう。
- お湯の温度(70〜80℃):最大のコツは、お湯の温度管理です。
熱湯で淹れると渋みが出やすくなりますが、少し冷ましたお湯で淹れることで、頴娃茶の持ち味である「旨み」と「甘み」が最大限に引き出されます。 - 最後の一滴まで注ぎ切る:急須にお湯を残さないことで、2煎目も渋みが出にくく、美味しく淹れることができます。注ぎ終わったら急須の蓋を少しずらしておくと、茶葉が蒸れすぎるのを防げますよ。



それでもうまく淹れれない!って時は、お湯の量を極端に減らしてみよう。
慣れるまで、急須の3分の1程度の湯量で試してみると、案外上手に淹れれちゃうよ。
夏にぴったり!水出し頴娃茶の作り方
暑い日には、クリアな旨みが楽しめる水出し頴娃茶が最高です。作り方は驚くほど簡単!
- 茶葉:10g
- 水:1リットル
- 冷水ポットやボトル
水でじっくり抽出すると、カフェインやカテキンが抑えられ、テアニンの甘みと旨みが際立ちます。ゴクゴク飲めるすっきりとした味わいは、お子様にも大人気です。
頴娃茶の購入方法
「いますぐ頴娃茶が飲みたい!」そんなあなたのために、購入方法をまとめました。
お茶専門店で見つける
一番のおすすめはこだわりの品揃えを誇る日本茶専門店!
また、デパートの銘茶コーナーでも取り扱いがある場合があります。
知識豊富な店員さんに相談すれば、あなたの好みにぴったりの頴娃茶を提案してくれるはずです。
通販サイトで人気のおすすめ頴娃茶
Amazonや楽天市場などの大手通販サイトで「頴娃茶」または「知覧茶 頴娃産」と検索すれば、多くの商品が見つかります。生産者から直接購入できる農園のオンラインショップもおすすめです。レビューを参考に、お好みの品種や農家さんを探すのも楽しいでしょう。



ネットの場合は、レビューをしっかり読んだりすることが大事!
AFTERWORD
一度は飲んでみたい、希少なブランド茶「頴娃茶」の魅力に迫る
日本一の茶産地、鹿児島県南九州市頴娃町。
その豊かな自然と人々の情熱が育んだ「頴娃茶」は、濃厚な旨みと美しい水色を持つ、まさに“緑の宝石”です。
ブランド名は「知覧茶」に統合されましたが、その土地が持つ個性と確かな品質は、今も多くの人々を魅了し続けています。
基本の淹れ方でじっくりと向き合う一杯は、日常を特別な時間に変えてくれるでしょう。
また、水出しで気軽に楽しむ一杯は、心と体に潤いを与えてくれます。
この記事で頴娃茶の魅力に触れたあなた。ぜひ次のお茶の時間に、この感動的な味わいを体験してみてください。きっと、忘れられない一杯になることをお約束します。
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